豪州大陸最高峰・コジオスコ山(2228m)

日本の約22倍もの広大な面積を誇るオーストラリアですが、大陸のてっぺんは2,228mと、それほど高くありません。その一番高い山をコジオスコ山といい、シドニーから南西に500km、メルボルンからは北東に570kmに位置します。周囲一帯は、6,900平方キロメートルにも及ぶコジオスコ国立公園内に指定されていて、(ありきたりな表現ですが)太古の自然が手つかずのまま残っています。冬場はNSW州屈指のスノーリゾートとして有名なスレドボアルパインヴィレッジが、コジオスコ山登頂のベースになります。

植物相が変る森林限界(Timberline)

銀色に輝くユーカリの一種、スノーガムの樹林が標高2,000mまで山を覆い、夏には背の低いアカシアの灌木が黄色い花を咲かせます。この辺りは一帯は気温が摂氏10℃を超える日が年間100日以上あるところまでが森林限界、それより高くなると、背の高い木々は姿を消し、かわって背の低い樹木、コケ類、地衣類がゴロゴロとした岩や大地を覆います。

山頂付近には真夏でも雪渓が残っている

オーストラリア大陸東海岸を縦断する大陸分水嶺から流れ出す雪解け水は、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州の山間部を経て、やがてタスマン海に灌がれます。1月上旬までは雪渓がのこり、雪解けのせせらぎにアルパインギャラクシア(小魚)が群れる姿が見られます。

先住民アボリジニの聖地

今から約5万年前の氷河期、コジオスコ高原は氷で覆われていました。1万年から5千年前くらいになると徐々に気温が上昇し、コジオスコ山の麓にはアボリジニの4つの部族(ヤイトマサング族、ウォルガル族、ワラジェリー族、ンガリゴ族)が暮らすようになります。平地の暑さを避け、高原地帯で繁殖するボゴング蛾の幼虫(芋虫)は、蛋白質と脂肪分が豊富で、アボリジニにとっては大変なご馳走でした。この芋虫を求めて彼らは山に登っていたといわれます。彼らにとってコジオスコは単に食糧確保の場所ではなく、霊山としても信仰されており、春になると毎年この山に登り、数千人規模の宗教的儀式が行われていたといわれます。

【スノーガムの原生林が銀色にキラキラ輝く】

世界7大陸の最高峰、セブンサミッツ(※1)の中で最も安全に、難なく登頂可能なのがコジオスコ山といわれています。

【スノーガムの原生林が銀色にキラキラ輝く】 スノーガムの原生リン
山麓のスレドボアルパインヴィレッジ(1,370m)からコジオスコエキスプレス・チェアリフトの終着点、イーグルネスト小屋(1,930m)まであがると、全長6.5km、標高差298m、往復所要約5時間のハイキングトレイルの出発点が現れます。

凹凸の少ない登山ルートは、頂上付近までハイキング用メタルパスが
整備されており、子供やご高齢の方でもとても易しく、安心して登頂を楽しむことができます。

(※1)世界7大陸の最高峰・セブンサミッツの山々
1 [ヨーロッパ] エルブルース山(5,642m /ロシア)
2 [アフリカ] キリマンジャロ山(5,895m /タンザニア)
3 [アジア] エベレスト山(8,848m /ネパール)
4 [北米] マッキンリー山(6,194m /アラスカ)
5 [南米] アコンカグア山(6,960m /アルゼンチン)
6 [南極] ビンソンマシフ山(4,897m /南極)
7 [オセアニア] コジオスコ山(2,228m /オーストラリア)
7 [オセアニア] カルステンツピラミッド山(4,884m /パプアニューギニア)




コジオスコ山の夕陽

大陸の頂点に立つ達成感を是非

オーストラリアは地球上で最も古い大陸なので、山頂へ続くハイキングコースといってもとてもなだらかです。山頂付近は視界が広がり、岩山もまるまっていて、この風景を雪で覆ったら、南極大陸とそっくりになるような、オーストラリア独自の景観が楽しめます。大陸で最も標高の高い湖(Lake Cootapatamba)を見下ろすルックアウトがあり、山頂からは文字通り360度の視界、スノーウィーマウンテンズから遠くビクトリアアルプスの山々までが見渡せます。大陸で最も高いところに立つ、達成感を是非味わってみて下さい。

Mt. Kosciuszko(コジオスコ山)名前の由来


【Sir Paul Edmund Strzelecki】
ポーランド出身の探検家で科学者、Sir Paul Edmund  Strzelecki
は、ニューサウスウェールズ州総督George Gippsの命を受け、1839年から1843年にかけてニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、タスマニア州の広範囲に渡るエリアの地質・地下資源に関する調査を行いました。そして、スノーウィーマウンテンズの中に、大陸最高峰の山があることを発見し、登頂に成功しま した。 彼は祖国ポーランドの英雄、Tadeusz Kosciuszkoに因んで、この山をMt. Kosciuszko(コジオスコ山)と名付けました。ポーランド人の名前から来ているんですね。 スペルも発音も難しすぎる!【Sir Paul Edmund  Strzelecki】



(南半球に春到来、オーストラリア大陸最高峰・コジオスコ山に登ろう!【Vol2】へ続く
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